ここに書かれていることは無保証です。同じことを行って問題が発生しても、 龍義は責任をとりません。

2008年12月27日

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YBR125のエンジン源流

YBR125のエンジン
クリスマス企画最終。今日は YBR125 のエンジンの話。 YBR125 のエンジンは4ストローク SOHC で ボア×ストロークが 54.0 x 54.0 のもの。計算上は、 (54/2)^2×π×54 = 123672 mm3 = 123.672cc である。表記として、123cc や 123.7cc や 124cc と書かれているものを見るが、 その国によって表記に必要な精度や、切上げ切捨ての値が異なるためと思われる。
エンジンの源流
このエンジンの元はどこからか。まず、wikipedia を見てみる。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%8F%E3%83%BBYBR125 車両に積まれているエンジンは、2000年に新設計された空冷単気筒 OHC4サイクル エンジン 123ccだが、... だそうである。これを読むと、最初に搭載されたのは TT-R125 か YBR125 なの かな、と思ってしまう。多分、元はヤマハの TT-R125 LW 発売のページ。 http://www.yamaha-motor.co.jp/news/2000/02/08/ttr125.html ヤマハ「TT−R125 LW」新発売 (2000年02月08日発表) の「新開発の軽量小型4ストロークエンジン」というところでしょう。 しかし、である。調べてみると、そうではない感じもする。 まずは、インドの新聞 Daily Excelsior の1999年6月8日の記事から。 http://www.dailyexcelsior.com/99june08/busi.htm Yamaha YBX-125 launched in City of Temples この記事は、7日に Jammu(City of Temples と呼ばれているらしい)で、YBX-125 が最初の客に引き渡された、とある。これは Escorts Yamaha Motors Ltd (EYML) 製で、EYML は YMEL 〜 YMI となり、現在はヤマハの100%子会社となっている。 EYML→YMEL(2000年6月) http://www.yamaha-motor.co.jp/news/2000/04/25/india.html YMEL→YMI(2001年6月) http://www.yamaha-motor.co.jp/news/2001/06/12/india.html YBX の記事に戻ると、YBX は EYML が作った最初の4ストロークモデルであり、 日本で設計された、とある。エンジンは SOHC の2バルブで 11馬力(?)を 8500rpm で発生させる。この特徴は YBR125 のエンジンと一致するものがある。
2015年11月15日追加
YAMAHA News によると、1998年8月に発売とあった。1998年発行だったもので、
既に製品が並んでいる写真もあり、1998年発売というのが正しいと思われる。
この新聞の写真ではエンジンが判別できなかったので、1999年型の YBX125 の 写真を探してみた。しかし、見つからなかった。個人の写真ページで2000年型の YBX の写真を見つけた。 katoktmko という方の写真 http://www.bikepics.com/members/katoktmko/00ybx/ 写真を見る限り、セルモータはないものの、YBR125 のエンジンと同じである。 さらに、今は蓋がされて不自然な形になっているオイル窓までちゃんと付いて いるように見える。1999年発売の YBX125 のエンジンが2000年に変更されることは よっぽどのことが無い限りないので、YBX のエンジンが YBR125 のエンジンの 源流では、と思われる。 この YBX の諸元を探してみると、indiabike.com というところで見つかった。 Technical Specifications of YBX 125 No. of Gears 4-speed 4速ギアである。この indiabike.com では、インドで売られたヤマハのバイクの 一覧がある。 http://www.indiabike.com/tbuyrev1.asp?brands=001 さらに Overdrive というインドのページを参考に見てみる。 http://www.overdrive.in/article/BIKING-EVOLUTION/page5.html ということで、先日 Gladiator のことに触れたが、Gladiator までの流れは、 YBX125 → YD125 → Fazer → Gladiator になっているようである。YD はどちらかと言うと、さらにビジネスよりなので 少し違う気もするが。この流れと諸元とを照らし合わせると、Fazer までは4速 ギアを採用している。その影響でインド版 YBA125 Enticer も4速ギアとなり、 今ではメキシコ版 YBA125 Enticer も4速ギアとなってしまった、と。 まとめると。 ・日本で設計された(?)。 ・1999年には既に YBX125 に搭載されていた。 ・最初はセルモータが搭載されてなかった。 ・最初は4速ギアを搭載していた。 ・最初に製作したのは Escorts とヤマハの合弁会社。 YBR125 のピストンの部品などを見ていると、4LS で始まる部品がある。4LS の 形式番号は、確認が取れていないが、YBX125 のことらしい。こんなことに使う のは非常に申し訳ないが、盗難バイク情報にある YBX125 のエンジン番号や、 車体番号に 4LS が散見できる。 インドのオリッサ州警察にある盗難車情報 http://orissapolice.nic.in/stolen/stolen.htm このエンジン源流について YBX125 とするのは正しいのかもしれない。 まぁ、実際のところ、ヤマハに聞いてみるのが早いので、今度時間があったら 聞いてみてみようかな。
ついでに
ついでに、だが、YBR125 のインド製造について。ヤマハの資料には。 2005年中国生産モーターサイクル「YBR125」 ...インド(2004年5月生産開始)と、... との記述があり、wikipedia にも2004年とある。これは、一体何を作ったのか、 調べてみた。まず、ヤマハのページをあたってみると。 DABAOUA SPECIAL - マシンプロフィール 2004年5月には、一部仕様変更のモデルがインドで生産が開始される。 と記述があるので、仕様変更されていることがわかる。日本語の個人ページを見て みると。 TT-R125系エンジン搭載車(XTZ125 YBR125)まとめ このエンジンについて 文左衛門の八割ヒマダネ TT-R125系エンジンの系譜 2004年にインドで生産開始されたのは、それぞれ YBX125 と YBA125 と書かれて いる。YBX125 は1999年に既に生産されているし、YBA125 は、Enticer だとすると インドの新聞 THE HINDU のビジネス版 Business Line には。 http://www.blonnet.com/2002/10/18/stories/2002101802050400.htm Yamaha's Libero launch follows Enticer success Enticer は2002年10月17日時点で既に成功を収めているとあり、インド生産の ようである。この状況で、2004年に YBR125 のインド生産が始まった、とする のはちょっと無い気がする。さらに近い存在の YBX125 も存在していたし。 では、一体何が生産開始されたか。 YBX125 → YD125 → Fazer → Glariator の流れを見てみる。YD125 は 前述の新聞のサイトにおいて2001年には存在して いたのが確認できたので、2004年に生産開始とするのは Fazer と見るのが妥当 ではないだろうか。 Business Line の2004年8月15日の記事 Yamaha Fazer: New Faze in the crowd 恐ろしくカッコ悪い顔してるのは置いて、Fazer については、前述 indiabike.com や、2005年型だが、CM YAMAHA のページで確認できる。 CM YAMAHA インドらしくチェーンカバーが付いているし、シートもガソリンタンクも YBR125 とは共通ではない。エンジンは4速で、キックスタートのみ(後の DX, DlX では セルモータ装備)である。YBR125 のインド生産が、一部仕様変更のモデル、と 書かれているのはこのためなのでしょう。可能性として、良く知られた YBR125 を インドで生産しているが、インド国内では発売せずに、輸出専用としている、 ということも考えられるが。
それにしても
インドの web ページは英語で書かれていることが多いので、ポルトガル語や、 スペイン語より気が楽である。

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