台湾に行ってきた その2
スクーターに乗る
台湾は日本とは国交がない。国交がなくて、ここまで堂々としているのも珍しい
感じもするけど。そして、台湾はジュネーヴ交通条約にも加盟していないので、
国際免許証が使えない。じゃ、どうするかというと、日本の免許の翻訳文をもらい、
それを携行することで運転が可能になる。これは2007年9月21日から始まった制度で
翻訳文は日本では JAF に、台湾では財団法人交流協会でもらうことができる。
旅行前に JAF でもらうのが王道なのだろうけど、最寄の JAF が家から遠いのと、
値段が少し高い(3300円、台湾の交流協会だと700元、約2000円)ので、台湾の
交流協会でもらうことにした。
余談だが JAF のページには、原則即日発行と書いてあったので、実質どのぐらいの
時間でもらえるのか電話で聞いてみると、「JAF では日本の免許証の翻訳業務は
行っていません」と言われて、こっちから冷たく言い返したということもあって。
MRT に乗って南京東路駅で降り、台湾の交流協会に向かった。
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入り口に警備員が居て、思ったよりも厳重な感じ。中の撮影も駄目だと言われた。
申請用紙を書いて提出すると、45分ぐらいかかると言われ、郵便局なんかに行って
時間をつぶして戻ってきた。できあがったのは、A4の2枚綴りの紙で、1枚目は
日本の運転免許証の翻訳文、2枚目は台湾での運転可能な区分が書かれたもの
だった。
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台湾の免許には一種二種が無いので、牽引があればコンプリートだな。左上の
黒い部分は割り印があったので塗りつぶした。
翻訳文が用意できたので、スクーターを借りて乗ってみた。借りたのは 50cc の
KYMCO DJ Refined 50 で、台湾では 50cc でも二人乗りできるので、後に乗って
もらって道案内してもらった。わざわざこのために日本からヘルメットを持って
いったが、台湾での認証を通ってないものなので多分違法な気がする。
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何で黒いマスクなんかしているかと言うと、現地の人の格好に合わせて。台湾の
人はかなりの確率でマスクをしている。それもカラフルなマスクで、夜店で1つ
80円ぐらいで売っていたので買ってみた。聞いたところによると、排気ガスの
ためもあるけど、寒いからつけてるんだと。
それと、ジャンパーを後ろ前で着ている人がいた。背中の部分を胸の側にして
着ているのである。気持ちはわからなくもないが、それだったら良いライダー
ジャケットを買えば良いのになぁ、と思う。
どちらにしても、台湾の人は日本人より寒がりのようである。
運転してみて
まずは、右側通行。10年ぶりの右側通行の国だったので、緊張した。この緊張が
消えた頃が危ないのだろうけど。
そして慣れない2段階左折。50cc のスクーターをまともに乗ったのは5年前、
頭の中に2段階で曲がると言う概念が無いので、気をつけて走るようにした。
昨日も少し書いたが、2輪車の停止線は車の停止線の前にあり、さらにその前に
2段階左折用の停止位置がある。しかし、直線するスクーターでも2段階左折用の
場所にするする出る人がいて、あれ?と思うことがあった。
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信号の横には、青に変わるまでの秒数が出ており、3秒前ぐらいになるとレースの
ようにエンジンを吹かしだして、青になった瞬間にみんな飛び出していく。宛ら
サーキットのようである。
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時々、犬が道路にいて。飼い犬らしいのだけど、リードで繋がれてないので、
自由に歩き回っている。ちょっと危険。
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旅行会社の人に、運転するのは危険だよ、と言われたけど思ったよりも危険なりに
譲り合って通行している。日本でこのタイミングで入ったら、クラクションを
鳴らされるだろうな、というタイミングでも平然と譲り合いをしていて、良くも
悪くも流れができている感じである。
排気ガス検査
走っていたら、何かの検査をやっていた。排気ガスの検査らしい。試しに英語で
質問してみたら、まったく通じなかった。
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この排気ガスの検査は、新車ほどの厳しさはないとの話だが、実際のところは
良くわからなかった。この検査で落ちると、シールを貼られて再検査をしないと
いけない、と言っていた。
台湾のナンバー
台北を走っているスクーターのナンバー地域表示は4種類ほど見かけた。台湾省、
台北市、高雄市、何も書いていない、の4種類。何も書いていないのは、2007年
以降の新しい車両らしい。何で台湾省なのかと言うと、元は中華民国の成立まで
遡る話で、中華民国(所謂台湾)はモンゴルから中華人民共和国から、ロシアの
一部までも国土がある前提である。その中にいくつか省があって、実質的には
台湾省と福建省の一部が支配下となっている。その中に省に入らない直轄市と
いうのがあり、それが台北市と高雄市である。明日には直轄市が3つ程増えて、
新北市(元台北県)、台中市(台中市と台中県が合併して)、台南市(台南市と
台南県が合併して)合計5つになるらしい。さらに、明日から高雄市に高雄県が
含まれるようである。が、既にナンバーには地域が入らないので関係ないか。
日本人の感覚から言うと、住所は台湾省→台北県→台北市、となる気がするの
だけど、市は県に含まれないし、台北市は直轄市なので台湾省にも属していない。
台北県(明日から新北市)の地図を見ると、台北市と基隆市の部分がぽっかり
穴が空いているのがわかる。
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左上のシールが日本で言う自賠責保険、右上が排気ガス検査のシールである。
どちらも10年以上前に期限が切れているように見えるが、使われている年号は
西暦ではなく、1912年の中華民国政府設立からの年で、最初の年は0年ではなく
1年だったので、2010年は99年となる。つまり、保険は切れていることになる。
来年に100年問題が起きるのでは?と現地の人に聞いたら、コンピューターでは
あまり使ってないから大丈夫だよ、と気楽に言っていた。色々な場所で駄目な
気がしてならないけど、杞憂なのかもしれない。
ナンバーの色は、私が乗らしてもらったスクーターは緑色のナンバーだった。
聞いてみたら、50cc クラスは緑色、250cc までが白色、その上もあって聞いた
けど忘れたので調べてみた。
排気量 | ナンバーの色 | 免許区分
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~50cc | 緑ナンバーに白字 | 普通軽型
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50cc~250cc | 白ナンバーに黒字 | 普通重型
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250cc~550cc | 黄ナンバーに黒字 | 大型重型
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550cc~ | 赤ナンバーに白字
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赤ナンバーだけは XX-nn(Xは大文字アルファベット、nは数字)の4桁になる
そうな。そして 1.34 馬力以下の場合だと免許区分が小型軽型となり、制限速度が
30km/h となるようである。スクーターを借りたときに、50cc 以下での最高速度は
45km/h と聞いた。2人乗りもできるし、日本の原付(一種)よりも便利に走行
できる。
二段階左折は、どうやら排気量に関係ないようで、大きなモーターサイクルに
乗っていてもしなければいけないようである。
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