同じエンジンの機種コード
YBR125系エンジンのモデルとパーツカタログ
今日は、YBR125系エンジンのモデル一覧と、それだけだと寂しい記事になって
しまったので、パーツカタログの楽しみ方を書いてみた。
YBR125系エンジン搭載機種のモデルコード
中国のモデルコードは別で書いて、ブラジルも書いた。あとはインドを書きたい
ところだけど、思うように情報が入らないので、その三カ国以外のモデルコードを
一覧にしてみた。2001年からの一覧を作ろうと思ったけど、大変なことになった
ので、直近の10年の一覧にした。
手元の資料とか写真から拾ったものなので、数字が飛んでいるところがあるのが
わかるように、一覧としてはだいぶ抜けがある。私が使う資料としての側面も
あるので、その辺りは目をつぶってもらいたい。こゝにない情報を持っている
人がいたら教えてもらえると助かる。
タイプ | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 |
ヨーロッパ |
FI系 | 3D94 | 3D92 |
| 3D99 |
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SP系 |
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| 27S1 |
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K-FI系 |
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| 51D1 |
| 51D2 |
| 51D3 |
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XT125R | 3D63 | 13D1 13D3 | 13D5 |
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XT125X | 3D64 | 13D2 13D4 | 13D6 |
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トルコ |
YBR125系 |
| 3D96 | 3D98 |
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| 3D9A |
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YBR125K系 |
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| 51P1 |
| 51P2 |
| 51P3 |
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フィリピン |
YBR125G系 |
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| 1CL1 | 1CL2 |
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XTZ125 |
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| 43B1 |
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| 2MC1 | 2MC2 |
YD125 | 5RE2 |
| 34C1 | 34C2 |
| 34C3 | 34C4 | 34C5 | 34C6 |
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パキスタン |
YBR125K系 |
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| 2TB1 |
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YBR125G系 |
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| B831 |
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スリランカ |
YBR125DX系 | 5P42 |
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アフリカ |
YBR125系 | 4P23 4P24 |
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| 4P2S |
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YBR125G系 |
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| 43B2 | 43B4 | 43B7 | 43B9 | 43BB | 43BD | 43BE |
XTZ125 |
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| 1SB1 |
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タイプ | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 |
コロンビア |
YBR125DX系 |
| 29C1 | 22P1 | 22P2 22P3 |
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YBR125SS系 |
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| 57C1 57C2 | 57C4 |
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YBR125系 |
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| 1BV1 | 1BV2 |
| 1BV3 2CD1 | 2CD2 | 2CD4 |
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XTZ125 |
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| 3B22 |
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| 3B23 |
| 1SB3 | 1SB5 | 1SB8 2MD2 | 2MD3 |
アルゼンチン |
YBR125系 |
|
| 42D1 | 42D2 | 42D3 42D4 | 42D5 42D6 | 42D8 1NC1 | 42D7 | 42D9 1NC2 | 1NC3 B471 | 42DA |
XTZ125 |
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| 58S1 | 58S2 | 58S3 | 58S4 |
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| 2PX1 |
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メキシコ |
YBR125系 | 5RR8 5TU8 | 5RR9 | 5RRA |
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| 1PX1 | 1PX2 | 1PX3 | 1PX4 4P2N 4P2P | 4P2T |
YBR125G系 |
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| 43BC |
|
YBR125C |
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| 36S1 |
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| 36S2 | 36S3 | 36S4 | 36S5 | 36S6 | 36S7 |
YB125系 |
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| 2D0V | 2D0X | 2CS1 | 2CS3 |
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YBA125 |
| 16C1 |
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| 3P42 | 3P43 |
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|
XTZ125 |
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| 1SB2 | 1SB4 | 1SB6 | 1SB9 |
ペルー |
YBR125系 |
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| 2YB1 2YC1
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YBR125G系 |
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| 2XS1 |
|
YB125 |
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| 2XP1 | 2XP2 |
XTZ125 |
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| 1SB9 |
ホンジュラス |
YBR125系 |
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| BN92 |
ベネズエラ |
YBR125系 |
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| 1BR1 |
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| 1BR2 |
|
ボリビア |
YX125系 |
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| BH71 |
エクアドル |
XTZ125 |
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| 1SB7 |
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タイプ | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 |
中南米 |
YBR125系 | 5YH4 5YJ4 | 5YH5 5YJ5 | 5YH6 | 40S1 40S2 |
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YBR125系2 |
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| 4P26 4P27 4P28 |
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| 4P2A 4P2B 4P2C | 4P2D 4P2E 4P2F | 4P2G 4P2H 4P2J | 4P2K 4P2L 4P2M |
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YBR125G系 |
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| 43B1 |
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| 43B3 43B5 | 43B6 | 43B8 | 43BA |
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YB125系 |
| 2D0E |
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| 2D0W | 2D0Y | 2CS2 | 2CS4 |
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XTZ125 | 5YM9 5YMA | 5YMC 5YMD | 5YMF 5YMG | 41B1 41B2 | 41B4 | 41BA | 41BC |
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USA |
YFM125R |
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| 2PA1 | 2PA4 | 2PA7 |
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カナダ |
YFM125R |
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| 2PA2 | 2PA5 | 2PA8 |
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オーストラリア |
YFM125R |
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|
| 2PA3 | 2PA6 | 2PAA |
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TT-R125 |
TT-R125 | 1B29 1B2A | 1B2H 1B2J | 1B2U | 1B2Y | 59B1 | | | | | |
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TT-R125L | 1B2B 1B2C | 1B2M 1B2N | 19C1 19C2 19C5 | 19C8 19C9 | 19CD 19CE | 19CK | 19CP | 2CP2 | 2CP4 | 2CP5 2CP6 | 2CP7 2CP8 |
TT-R125E | 1B2D 1B2E | 1B2K 1B2L | 1B2S 1B2T 1B2W | 39C1 39C2 39C3 | 39C4 39C5 39C6 | 39C9 | 39CA | 39CB | 39CC | |
|
TT-R125LE | 1B2F 1B2G | 1B2P 1B2R | 19C3 19C4 19C6 | 19CA 19CB 19CC | 19CF 19CG 19CH | 19CL 19CM 19CN | 19CS 19CT 19CU | 19CV 19CW 19CX | 2CP3 2PT1 2PT2 2PT3 | 2PT4 2PT5 2PT6 | 2PT7 2PT8 2PT9 |
TT-R125 ブラジル |
TT-R125 |
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| 30P1 | 30P3 |
| 30P7 |
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TT-R125L |
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| 30P2 | 30P4 | 30P6 | 30P8 | 30PA | 30PC |
| 30PG |
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2016年中は随時更新予定
TT-R125 は色々な国で発売しているので一つにまとめたけど、数字がかなり抜けて
いるので、こつこつと資料集めをしないといけないな。
パーツカタログの楽しみ方
冬の時期で気温が低いと、ついつい自動二輪車に乗るのをあきらめて、手元の
資料をじっくり眺めたりしてしまうもの。そんな私の楽しみ方を少し。
南米や中国では、パーツカタログがダウンロードできる。そのパーツカタログの
表紙の右下なんかに5桁-5桁のコードが記述されている。
いくつもパーツカタログを眺めていると、そのルールがだんだんわかってくる
ようになる。上記の画像の 1N18D-280PA を例にしてみる。
1桁目は、ほゞ「1」固定。このコードの下に括弧書きで2から始まるものがある
みたいだけど、それでも1固定と言い切って良いぐらい。
2桁目は、今回の例では N になっているが、これは年式を表している。年式の
扱いが国などによって少し揺れるけど、以下のような関係になっている。2000年
以前では、年の1桁目の数字を使っていた。例えば1989年では最後の数字の 9 を
使うように数字を使いまわしていたので、1999年なのか1989年なのかわからない
感じだった。
文字 | 年 |
1 | 2001 |
A | 2002 |
B | 2003 |
C | 2004 |
D | 2005 |
E | 2006 |
F | 2007 |
G | 2008 |
H | 2009 |
J | 2010 |
K | 2011 |
L | 2012 |
M | 2013 |
N | 2014 |
P | 2015 |
R | 2016 |
1N18D-280PA の場合だと、N なので2014年ということになる。年式の揺れもある
が、国ごとの統制が取れていないのか、ブラジルでは R を使う前に Q を使って
いる。最近では TT-R125 はブラジル製造なので、1Q2PT-110E1 という感じで、
ブラジル製造のものだけ2016年は Q となっている。この後、ちゃんと整合性を
取るのかどうか、見ものである。
3桁目から5桁目はモデルコードが入る。1N18D-280PA の場合だと、18D に当たる
もので、上記の写真を見ればわかるように 18DX と 18DW のモデルコードの 18D
が入っている。
ハイフンを挟んで7桁目から9桁目は数字が入る。この数字は販売している国や
地域を表しているもの。私が把握している数字は。
数字 | 国 |
010 | 日本 |
100 | 北米 |
110 | USA |
171 | カナダ |
200 | 中南米 |
210 | メキシコ |
243 | ドミニカ |
261 | コロンビア |
262 | ベネズエラ |
271 | ペルー |
276 | アルゼンチン |
280 | ブラジル |
300 | ヨーロッパ |
310 | UK |
332 | ドイツ |
341 | オランダ |
342 | ベルギー |
351 | フランス |
352 | スペイン |
353 | ポルトガル |
354 | イタリア |
370 | ロシア |
400 | アジア |
411 | 南朝鮮 |
414 | 中華民国(台湾) |
415 | 中華人民共和国 |
422 | ベトナム |
424 | ラオス |
431 | タイ |
440 | マレーシア |
446 | シンガポール |
450 | フィリピン |
460 | インドネシア |
470 | インド |
471 | バングラデシュ |
472 | パキスタン |
473 | ネパール |
481 | スリランカ |
500 | 中近東 |
516 | トルコ |
546 | アラブ首長国連邦 |
561 | イラン |
600 | アフリカ |
664 | 南アフリカ |
700 | オセアニア |
710 | オーストラリア |
M00 | MBK製 |
USA はさらにカリフォルニア州とそれ以外に分かれていることが多く、これは
排ガス規制の影響のようである。USA 向けでカリフォルニア州以外の49州向けは
U49 と記載されている。
また、複数の国向けの場合は、代表的な国が含まれる大陸の番号が使われることが
多いようだけど、思ったよりも適当な感じ。下の画像の例だと、中近東とメキシコ
向けなので、中南米の番号 200 が使われて、1C3P0-200S1 となっている。
10桁目はアルファベットで、パーツカタログの言語を表している。私が把握して
いる言語は、以下の通り。
英字 | 言語 |
J | 日本語 |
E | 英語 |
S | スペイン語 |
P | ポルトガル語 |
F | フランス語 |
G | ドイツ語 |
T | タイ語 |
V | ベトナム語 |
C | 繁体字中国語 |
M | 簡体字中国語 |
最初の画像、1N18D-280PA の場合だと P なのでポルトガル語になる。ほとんどの
場合、英語併記されているので、それほど心配することはないと思う。
最後の11桁目は、正直言ってよくわからない。たゞ、1が最初に使われ、以降は
A, V と使われている傾向があるのだけど、そうではないことも良くある。
1N18D-280PA の例だと、同じ2014年に 18DK, 18DL, 18DM, 18DN のパーツカタログ
1N18D-280P1 が先にあるので、1の次の A が使われて、1N18D-280PA になった。
しかし、その次は 1N18D-280PV になりそうなのだけど、18DV は 1N18D-280PB に
なっている。
こゝまでわかれば、表紙の数字をパッと見ただけで大体の年式と、どこの国で
販売しているものなのかわかるようになる。
イラストのコード
ついでに、上記パーツカタログのルールが同じようにあてはまるパーツカタログの
イラストについて。パーツカタログのイラストの左下には、イラストを管理する
コードが書かれている。以下のイラストは、中国ヤマハにあった YBR125KG 46S3/
46S4 のもの。
同じイラストを色々な機種で使いまわしていることが多いのだけど、このコードも
共通のルールで付けられたコードとなっている。
上の例だと、2D71516-C110 となっているが、最初の4桁は機種コードを表して
いる。この場合だと 2D71 となる。
次の5桁目から7桁目は発売している国や地域で、上に書いた一覧を当てはめると
516 はトルコということがわかる。
たゞし、ブラジル製造のものは販売地を入れずにブラジルのコード 280 を入れて
いるので注意が必要。
ハイフンを挟んで9桁目は年式を表している。上の一覧から C は2004年という
ことになる。
10桁目から11桁目は、その機種での FIG 番号を表している。この場合だと 11 に
当たるもので、2D71 のパーツカタログの FIG 11 に使われたものである。
最後の数字はよくわからないが、改定すると変えるものじゃないかと考えている。
まとめると、2D71516-C110 は2004年にトルコで発売された 2D71 という機種の
FIG 11 に使われたイラスト。
イラストを見てみる
じゃ、実際にどんなタイミングで新しいイラストが描かれるのか見てみる。
中国ヤマハにあった YBR125 2MP1/2MP2/2MP3/2MP4 の FIG 1 シリンダと、1つ前の
機種 YBR125 13RU/13RV/13RW/13RX の FIG 1 シリンダを見てみる。
まず、2MP1~4 のシリンダのイラストは、2MP1415-N010 となっていて、上記に
書いた通り、イラストを見ただけで2014年中国販売の 2MP1 のものとわかる。
2MP1 に 2MP1 のイラストを使っているので、前の機種からのイラストが流用でき
なかったということになる。
その前に発売されていた 13RU~X のシリンダのイラストを見てみると、コードは
13RF415-L010 となっている。つまり、2012年中国発売の 13RF のイラストを流用
している。13RF から部品の変更はあったかもしれないが、イラストの変更になる
ほどの変更はなかったということになる。
そして、2MP1 になって新しいイラストになったからには、この2つのイラストに
違いがあるはずである。もう、間違い探しの世界。気が付いた人は、かなり優秀
だと思う。
さて正解は、ガスケットの形状。
| |
2MP1415-N010 | 13RF415-L010 |
ブラジル製造・中国製造・インド製造などに関わりなくイラストを流用している
ところから考えて、このイラストは日本のヤマハが管理しているものと思われる。
こんな小さな違いでさえも、きちんと描いて変更するというのは、日本人の正確さ
にこだわる誇るべきものだと思う。
YBR125 2MP1/2MP2/2MP3/2MP4 のパーツカタログから、それぞれの FIG に使われて
いるイラストのコードを拾ってみた。長くなったので、415 の中国販売以外の
イラストのコードだけにした。このコードは画像に描かれているため、PDF から
コピーできないのが面倒なところ。
FIG | イラスト | 機種 |
3 | 27S1300-G031 | ヨーロッパ向け YBR125 Custom |
13 | 1SB1600-M140 | アフリカ向け XTZ125 |
26 | 2D0D210-D251 | メキシコ向け YB125 |
27 | 43B1200-G250 | 中南米向け YBR125G |
書いたのに何だけど、この機種は新しいイラストがほとんどで、面白くない。
パーツカタログを見て、面白い・面白くないというのも変な話だけど。じゃ、
何故この機種を選んだのかというと、ミスがあるので。
2MP1415 のはずが、2MP1460 とインドネシアの国コードが付いている。2MP1 で
中国発売のものだし、インドネシアでは発売されてないので、ミスなのでしょう。
と言うことで、最初に書いた YBR125 系エンジンが搭載されている機種一覧の
表が、どのように埋められていったか少しわかったと思う。
イラストいろいろ
私は2回しかみたことがないが、イラストがない場合がある。最初に PDF でこの
イラストを見たときは驚いた。
一応、イラストのコードは 999999999999 になっている。
昔のインドで製造された機種は、インドで絵を描いていたようである。それが
ヤマハのイラストに無理やり付け足したような感じのイラストで違和感があり、
イラストのコードも振っていない。
視点が違っていたりするし、絵が下手。
インドで発売されていた機種のパーツカタログが見られる indiaspares という
web サイトがあるのだが、今年に入ってからかなりの確率で見られない。昨年は
問題なく見られたのだけど。
同様に中国でも、日本のヤマハが管理していない機種があって、例えば JYM125
2PJ の系統は、イラストではなく部品の写真のようなもので描かれている。
部品の角度が統一されていないので、かなり違和感がある。
イラストではないが、タイのパーツカタログには途中でグラフィックのカラー
ページが入っている。カラーで見やすいのは良いのだけど、ファイルサイズが
大きいのが難点。
そんなパーツカタログのイラストいろいろ。
まだ書きたいことはあるけど
パーツカタログについて、まだ書きたいことはあるけど、だいぶ長くなったので
また別な機会に書きたいと思う。中国 YBR125 のパーツカタログを見られるように
ypbrowser を公開。
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