始まりは NYM
今日の結論
結論から先に。
・昔のメキシコの YBA125 は中国製だった
・そのため YBR125SP に Vision とある
・中国 YBR125 のエンジンは NYM が元
・NYM が作っていたときはオイル確認窓付き
私の中では、色々と予想外の出来事だった。
始まりは NYM
話はメキシコの YBA125 を見ていたときのこと。2001年からの初期の YBA125 は
YBA125 Vision という名前が付いていた。その車体を見てたら。Vision の下に
NYM という文字が。
Vision のロゴ
さらにさらに、エンジンの右側カバーにも NYM YAMAHA の文字があるではないか。
NYM の謎が深まる。
エンジンカバー
サイドカバーには、ZY125-2 という文字が。この感じ、ハイフンの後の数字、
中国の感じである。
サイドカバー
ということで、2001年のメキシコで販売された YBA125 を眺めてみる。確かに、
ロゴの下に何か書かれている感じがするし、サイドカバーにも書かれている。
メキシコ YBA125
そう思い出すと、気になってくる。このホイール、色も形も確かに中国の人の
感覚だし。メキシコではサイドリフレクタは不要だけど、フロントフォークに
リフレクタも付いている。ブラジル製だと思いこんでいたが、パーツマニュアル
では 5HH で始まる部品番号がないし。中国に対象を絞って調べることに。
NYM って何だ
NYM って何だってことで、YAMAHA のページを探すとあった。2005年以前にあった
会社みたい。
2004年の中国の YAMAHA
この頃の中国ヤマハは JYM、NYM、LYM での3本柱で製造してた。
JYM 重慶建設・ヤマハ自動二輪車有限公司
NYM 株洲南方ヤマハ自動二輪車有限公司
LYM 江蘇林海ヤマハ自動二輪車有限公司
JYM については、現在も YBR125 なんかを作っている会社。LYM は、スクータ
なんかを作っている。ブランディングの関係で、YAMAHA の看板をまとめる等の
必要性があったのでしょう。問題の NYM は、株洲南方ヤマハのことだったけど
現在は株洲建設ヤマハと名前が変わってしまった。現在でもスクーターを中心に
製造を行っている。
株洲建設ヤマハ自動二輪車有限公司
そんな流れがあった。簡単に言うと、重慶建設グループに入った感じ。
株洲建設ヤマハ
南方という文字は無くなったので NYM も消滅してしまった。
NYM の YBA から
NYM がわかったので、NYM の YBA125 というか、ZY125-2 を調べてみる。中国で
ZY125-2 を検索すると、予想に反して何件も見つかる。つまり、YBA125 は中国
でも売っていたことになる。2つほどページを挙げると。
乗っている人の紹介ページ
エンジンのオーバーホールをしているページ
エンジンのオーバーホールのページでは、新しいエンジンに乗せたら、と思う
ぐらいの中が汚いエンジン。細かく分解してくれているおかげでミッションが
5速とか、わかったりする。
この NYM ZY125-2 は中国名「凌骥」で、上記ページによると1999年7月発売と
ある。今ではエンジンオイル確認のための窓穴跡さえ無くなってしまったが、
このときには、まだ窓穴が機能していた。
発売は1999年なのかの確認と、ZY125-2 というぐらいだから、ZY125-1 が何かの
確認をしたい。場合によっては、エンジン源流のページを書き直さなければなら
なくなってしまうので。
困ったときの YAMAHA News で、いつの間にやら web で英語版の過去のものを
見られるようになった。で、記事が見つかった。1999年の8月版である。
記事では5月13日に発表とあるので、7月の発売というのも間違ってなさそうな
感じだな。記事の写真では、ちゃんと YBR125 系のエンジンと確認できるし、
例のオイル量確認窓も機能していそうである。
これで、メキシコで2001年に売り出された YBA125 は中国製と言い切って良い
ぐらいの材料が揃った。YBA の歴史は、意外にも中国から始まったことになる。
もっと早く気が付くべきだったことだな。
上記の記事にもあるように、ZY125-2 は2番目のモデルとある。じゃ、1番目は
何だったのかを調べる。1番目の機種は ZY125 として「凌鷹125」が出てたことが
わかった。凌鷹という名前は、まだ現役で使われていて、当時も今もスクーターで
あるため、エンジンが違う。源流のページを直す必要は無さそうである。
謎が2つ解けた
不思議に思っていたことが2つあった。1つは YBR125SP に何で Vision と書いて
あるのか。YBA125 Vision がブラジルやインドで作られたものだったら、中国の
YBR125SP に Vision と名前を付けるのは不自然だけど、中国で元々アメリカン
スタイルの ZY125-2(YBA125) Vision があったのだから、その後継として名前を
付けたとすれば納得がいく。
YBR125SP Vision
もう1つの謎が、YBR125 にオイル量を確認する窓の名残があったこと。初代の
YBR125 でこの窓が使われていれば変な感じはしないが、初代の YBR125 から既に
使われていないので、何故名残があるのか疑問だった。
オイル量確認窓の名残
これは、YBR125 が発売される3年前、ZY125-2 のときは使われていて、YBR125 を
作るときに金型を変更し、NYM の文字を消してしまったりした。念のために、
確認窓は残したが結局使われず、そして現在は、その跡もなくなってしまった。
エンジンカバー
それなら納得がいくし、自然な流れだと感じる。すっきりした。
そう思ってきたら
YBA125 Vision から YBR125SP Vision に続くラインがあるとわかってきたら、
なんとなくこの2台が似ているように見えてくる。
YBA125 Vision
| YBR125SP Vision
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マフラーやミラー、タンクの形状とか、やっぱりどことなくの似た雰囲気がある。
サイドパネルに貼られている YAMAHA のエンブレム、その下にモデルコードが
描かれている感じも同じ。
YAMAHA News で見る YBR125 の歴史
YAMAHA News を調べてみたので、ついでに YBR125 関連についてを残しておく。
348号に出ているノリックの写真をみて、ちょっと泣きそうになった。
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